羊飼いの少女


吉祥院 応接室絵画

作者不明 1999年7月完成

聖書の中に「迷い出た一匹の羊」というたとえ話があります。

ある羊飼いが100匹の羊を飼っていて、その中から1匹の羊が迷いでてしまいます。残りの99匹をおいて、その1匹の羊を探しに行くというお話です。

そもそも羊は大変弱い動物で、自分一人ではどちらに進んでいいかわからないので群れをなして行動します。それを正しい方向に導いてくれるのが羊飼いです。

我々人間も羊と同じで、誰の助けを借りなくても一人で生きていける人はそうはいません。多くの人が支え合い、助け合いながら生きています。ただ人間は群れで行動すると、互いに争い、ぶつかり合い、そこからはみ出してしまい、孤立してしまうことも少なくありません。その中で生きる意味が分からなくなってしまうこともあるかもしれません。

仏教に「慈悲」(じひ)という言葉があります。慈悲とは無償の愛を意味します。例えるなら母が子を想い、みまもり、大切にする心のイメージです。この羊飼いが99匹の羊をおいて1匹の羊を探しに行くという心境はまさに慈悲心の現れであります。

生きる意味を失い、自分なんていなくても誰も困らないと思った時に、この羊飼いのように全てを捨てて、救いの手を差し伸べてくれる存在が私たちにとっての仏さまであります。


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